【NEWS RELEASE】人生会議ノートを作成

11月30日は「人生会議の日※1

患者・家族・医療者の独自のコミュニケーションツール『人生会議ノート』を作成

人生会議は、“もしもを考える”会議ではなく、“最期まで自分らしく生きるため”の会議

 

 医療法人横浜博萌会(神奈川県横浜市戸塚区汲沢町56、理事長:高木啓吾)は、11月30日の「人生会議の日」を前に、当法人独自の『人生会議ノート』を作成し、2023年11月1日から運用を開始しました。「もしものときに大切にしたいこと」を考えることで、患者さん一人ひとりが最期まで自分らしく生きることができるよう支援します。

 

 人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)とは、もしものときに望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療者が話し合い、共有する取り組みのことです。

 当法人が運営する西横浜国際総合病院 在宅医療センターでは、在宅療養支援病院として年間約80件の看取りを行っています。これまで、在宅医療の開始時にはリビング・ウィル※2、入院時にはDNAR※3を活用し、療養の方針を決定していました。しかし、従来の方法では療養の方針は決定できても、方針の根底にある人生観や生死観に触れる機会に乏しく、また、一刻を争う状況では深く考える時間がないまま延命治療を開始してしまったり、親族間で意見が対立してしまう場面が少なくありませんでした。また、本人や家族が希望したとおりに最期を看取った場合でも、「はたしてこれで本当に良かったのか」という後悔の念は、ほとんどの家族が持たれます。

 リビング・ウィルやDNARの前に人生会議を行うことは、療養の方針決定の理由を本人と家族が共有できるほか、事前の情報収集のきっかけにもなります。地域の看取りを担う医療機関の使命として、患者本人が納得して最期まで自分らしく生きることができ、家族の後悔の念を少しでも軽くする支援が必要と考え、この度、当法人独自の人生会議ノートを作成しました。

 

 当法人では2003年より近隣高齢者施設と連携強化を図る「医療・介護連携ネットワークYW」を構築しており、今後は連携施設においても人生会議ノートを活用する予定です。当法人のみならず近隣施設でも人生会議ノートが定着することで、地域の高齢者医療・介護の質の向上に寄与します。

※1 11月30日を「いい(11)看取(30)り、いい(11)看取(30)られ」にかけ、人生の最終段階における医療・ケアについて考える日として2018年に厚生労働省が制定。

※2 リビング・ウィル(生前意思表明)とは、病気や事故で回復が望めない状態になった時、本人・家族がどのような医療を望むか、または望まないかを表明するもの。

※3 DNAR(do not attempt resuscitation)とは、あらゆる治療を講じても回復の見込みがない、あるいは救命の可能性がない状態の患者が尊厳を保ちながら死にゆく権利を守るために、心停止時に心肺蘇生を試みない事前指示。※DNARの許諾後も緩和ケアなどの必要と判断される治療・ケアはインフォームドコンセントに基づいて行う。