突発性難聴センター


突発性難聴センターご受診について

  1. 突発性難聴センターの受診をご希望の方は、
    ・診療時間内に「耳鼻咽喉科」をご受診ください。
    ・紹介状をお持ちの方は、必ずご持参ください。
    ・予約は不要です。
  2. 受診日時については、外来担当医表にて耳鼻咽喉科の診療時間をご確認の上、時間内に受診をお願いいたします。
  3. 入院加療をご希望の場合でも、医師の判断・病床の状況により、ご希望に沿えない場合がございます。ご了承ください。

突発性難聴とは

突発性難聴は、ある日突然耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴う疾患です。
内耳のウイルス感染や循環障害などが原因と推定されていますが、まだ明らかな原因は解明されていないのが現状です。
睡眠不足や過労、心身のストレスなども関係があるといわれています。


鑑別疾患に、低音障害型の感音性難聴をくり返す場合や眩暈発作をくり返すメニエール病、両側性に突然難聴が進行する両側性特発性感音難聴、鼻をかむ、くしゃみ、頭部打撲、飛行機の搭乗、登山などをきっかけにした難聴の外リンパ瘻、コンサート会場や爆発・爆風などの事故での大音響が原因の騒音性難聴などが考えられます。さらにMRIで聴神経腫瘍などの器質的疾患の除外も必要です。また、未成年では聴覚機能検査等で、心因性難聴もしっかりと除外しなければなりません。


突発性難聴の治療について

突発性難聴治療は発症から治療開始までが、1日でも早ければ早いほど効果が高いといわれています。
当科では軽度、中等度、重度の方へ主に下記の治療を提供しています。

◆軽 度:内耳の炎症を抑えるために、副腎皮質ステロイド薬などの内服薬による治療

◆中等度:ステロイド療法と高気圧酸素療法の2者併用療法

◆重 度:2者併用療法に、さらに鼓室内ステロイド療法を追加した3者併用療法

中等症~重症の場合、入院加療が必要になります。

平均的な入院期間 概ね8日間
平均的な入院治療費 (3割負担、4人部屋の場合) ※約20-21万円

※治療費が高額になるため、当院では高額療養費制度(限度額適用認定)をご案内しています。
※診療報酬の改定に伴い、価格を変更しております。


高気圧酸素治療について

高気圧酸素治療は、気圧を高めたカプセルに入り、100%濃度の酸素を吸入することで体内に大量の酸素を送り込む治療方法です。
突発性難聴は、内耳の奥にあるコルチ器が酸素不足になることが原因と考えられています。
高気圧酸素治療でコルチ器に十分な酸素を送り込むことで、突発性難聴の症状の改善が期待できます。

※高気圧酸素治療の注意事項
安全に治療を行うために下記をお願いしております。
・入れ墨・タトゥーの入っている方は治療を行えません。※アートメイクは可
・ジェルネイル、髪の毛やまつ毛のエクステンションがついている方は事前に外してからご来院ください。
・マニキュア、整髪料、お化粧も検査当日は落としていただきます。


突発性難聴の症例と実績

年 度 患者数(人)
2023年度 638
2022年度 631
2021年度 621
2020年度 655
2019年度 651

スタッフ紹介

耳鼻咽喉科部長/突発性難聴センター センター長
河野 敏朗(かわの としろう)

専門
副鼻腔疾患、アレルギー
資格
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医・指導医、補聴器相談医、騒音性難聴担当医、音声言語機能判定医 / 日本アレルギー学会 専門医 / 日本医師会 認定産業医 / 横浜市立大学客員准教授

突発性難聴治療に関する学会発表について

2024年
第125回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「突発性難聴Grade 4 445例の治療成績と予後因子(cVEMP)について」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報127巻4号
2020年
第121回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会「突発性難聴Grade 4の予後因子と治療法別によるROC曲線から得られたカットオフ値について」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会123巻4号
2019年
当院の耳鼻咽喉科部長・河野先生が国際平衡神経科学会総会で突発性難聴治療に関する講演を行われました
耳鼻咽喉科部長・河野先生が2019年5月30日に開催された「第46回 国際平衡神経科学会総会」にて国際シンポジストとして登壇し、”Prognostic Factors for the Hearing Outcome in Patients with Profound Idiopathic Sudden Sensorineural Hearing Loss (ISSHL) receiving the Triple Combined Treatment(=重度突発性難聴患者への三者併用治療における予後因子について)”というテーマで講演を行われました。
2019年
第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「突発性難聴171例(Grade 4)の予後因子とROC曲線から得られたカットオフ値の有用性について」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報122巻4号
2018年
第119回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「突発性難聴136例(Grade 4:90dB以上)の治療成績について」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報121巻4号
2017年
第118回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「3者併用療法(全身ステロイド+高気圧酸素+鼓室内ステロイド)による突発性難聴Grade 4の治療成績」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報120巻4号
2016年
第117回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「3者併用療法(全身ステロイド+高気圧酸素+鼓室内ステロイド)による突発性難聴Grade 4の初回治療成績」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報119巻4号
2015年
第116回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「突発性難聴Grade 1、2に対するステロイド内服治療の成績について」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報118巻4号
第59回 日本聴覚医学会総会・学術講演会 「高度な突発性難聴(Grade4)に対する鼓室内ステロイド療法の周波数別治療効果について」 掲載:Audiology Japan57巻5号
第24回 日本耳科学会総会・学術講演会 「周波数別にみた高度な突発性難聴(Grade 4)に対する鼓室内ステロイド療法の治療効果について」 掲載:Otology Japan24巻4号
2014年
第115回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「高度な突発性難聴(70dB≦)に対する鼓室内ステロイド療法の治療効果について」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報117巻4号
第48 回日本高気圧環境・潜水医学会学術総会 「高度な突発性難聴(Grade 3、4)に対する高気圧酸素療法の治療効果について」 掲載:日本高気圧環境・潜水医学会雑誌48巻4号
第23回 日本耳科学会総会・学術講演会 「高度突発性難聴に対する鼓室内ステロイド療法の治療効果について」 掲載:Otology Japan23巻4号
第58回 日本聴覚医学会総会・学術講演会 「高度な突発性難聴に対する全身ステロイド療法+高気圧酸素療法+鼓室内ステロイド療法の3者併用療法について」 掲載:Audiology Japan56巻5号
2013年
第114回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「突発性難聴(Grade 4)初回治療症例における鼓室内ステロイド療法の治療効果について」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報 116巻4号
第22回 日本耳科学会総会・学術講演会 「突発性難聴難治症例に対する鼓室内ステロイド療法の治療効果について」 掲載:Otology Japan 22巻4号
第57回 日本聴覚医学会総会・学術講演会 「突発性難聴難治症例に対する全身ステロイド療法、高気圧酸素療法、鼓室内ステロイド療法を併用した治療成績について」 掲載:Audiology Japan 55巻5号
2012年
第113回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「治性突発性難聴に対する鼓室内・全身ステロイド、高気圧酸素療法の治療成績について(続編)」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報 115巻4号
2011年
第112回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 「突発性難聴難治例に対する高気圧酸素療法と鼓室内ステロイド投与を併用した治療成績」 掲載:日本耳鼻咽喉科学会会報 114巻4号

突発性難聴治療に関する論文発表について

原著「突発性難聴(Grade4)263例の治療成績と予後因子」
[著者] 河野 敏朗, 島田 翔子, 鈴木 一宏, 石戸谷 淳一, 高橋 優宏, 生駒 亮, 折舘 伸彦 耳鼻咽喉科臨床(0032-6313)115 巻 (2022) 3 号
原著「3者併用療法による突発性難聴Grade4の予後因子について ~続報~」
[著者] 河野 敏朗, 湯田 惠子, 石戸谷 淳一, 生駒 亮, 桑原 達, 折舘 伸彦 日本耳鼻咽喉科学会会報 122 巻 (2019) 5 号
原著「Grade 3,4 の突発性難聴に対する全身ステロイド療法・高気圧酸素療法・鼓室内ステロイド療法の3者併用療法の治療効果について」
[著者] 河野 敏朗, 松浦 省己, 湯田 恵子, 松島 明美, 石戸谷 淳一, 佐久間 康徳, 山下 ゆき子, 生駒 亮, 高橋 優宏, 折舘 伸彦 日本耳鼻咽喉科学会会報 118 巻 (2015) 7 号
原著「難治性突発性難聴に対する鼓室内ステロイド療法の有効性に関する検討」
[著者] 河野 敏朗, 松浦 省己, 石戸谷 淳一, 折舘 伸彦 日本耳鼻咽喉科学会会報 117 巻 (2014) 6 号

各種メディアへの掲載について

※突発性難聴治療に関する取材等のお申し込みは、広報・マーケティング室(045-871-8855)までご連絡ください

2024年7月29日テレビ神奈川「tvkニュース」「News Link」にて放送されました。
突発性難聴センターの開設について、高気圧酸素治療装置の紹介のほか、河野医師のインタビューが放送されました。
放送内容はこちらをご覧ください。
2023年5月24日毎日新聞「今日のセカンドオピニオン」に掲載されました。
突発性難聴の治療や予後について、当院耳鼻咽喉科の河野医師のインタビュー記事が掲載されました。
掲載記事はこちらをご覧ください。
2021年8月30日「日経Gooday」に掲載されました。
『「耳かきはしない方がいいって本当?」「耳鳴りが治らない」…名医が回答!』として、当院耳鼻咽喉科の河野医師が耳の病気に関する疑問に答える記事が掲載されました。
掲載記事はこちらをご覧ください。
2021年8月25日「日経Gooday」に掲載されました。
『「聴力を保つにはどうすればいい?」「イヤホン難聴が心配」…名医が回答!』と題し、当院耳鼻咽喉科の河野医師が耳の病気に関する疑問に答える記事が掲載されました。
掲載記事はこちらをご覧ください。
2020年8月26日「日経Gooday」に掲載されました。
『働き盛りを襲う「突発性難聴」 異変を感じたら急ぎ受診を』と題し、当院耳鼻咽喉科の河野医師のインタビュー記事が掲載されました。
掲載記事はこちらをご覧ください。
2017年8月10日「医療新聞」に掲載されました。
『全身ステロイド療法、高気圧酸素療法、鼓室内ステロイド療法の3者併用で多くの患者を救う』と題し、当院耳鼻咽喉科の河野医師のインタビュー記事が掲載されました。
掲載記事はこちらをご覧ください。
2017年8月1日 当院耳鼻咽喉科が『名医のいる病院』シリーズ保存版に掲載されました。
書籍表紙
突発性難聴の治療に関する当院の耳鼻咽喉科 河野医師の記事が『名医のいる病院』シリーズ完全保存版『データで探す病院の選び方2017~2018』(医療新聞社)に掲載されました。 掲載記事はこちらをご覧ください。
2017年1月11日 耳鼻咽喉科 河野医師がTBSラジオに出演しました
当院の耳鼻咽喉科 部長 河野敏朗先生がTBSラジオの情報番組に「難聴」をテーマに出演されました。 番組名:『明日も元気』 毎週 月~金 TBSラジオ(954KHz)15:45~15:55 SBSラジオ(1404KHz)16:00~16:10 CBCラジオ(1053KHz)14:30~14:40 放送日:2017年2月27日~3月3日 ※ラジオ放送は既に終了しました