医療特集 ゆめが丘に「にしよこ整形外科クリニック」「にしよこ在宅クリニック」が開院

ゆめが丘クリニックモール

日本の高齢者人口は増加傾向にあり、2030年には人口の30%以上が65歳以上になると予想されています。戸塚区南部、新たなクリニックが開設する泉区下飯田町では、いずれもすでに高齢者人口が30%を超えており、介護予防と在宅医療の体制の整備が急がれています。

2023年6月、当院は急性期から在宅までシームレスな医療を展開し、地域医療に貢献することを目的に、「にしよこ整形外科クリニック」「にしよこ在宅クリニック」を開設します。今回は、新たなクリニックの院長となる南谷健先生(整形外科)、坂本雄大先生(訪問診療)にそれぞれお話を伺いました。

にしよこ整形外科クリニック

クリニックの特徴を教えてください

診断から治療、リハビリまで一貫して対応します。一般的なクリニックでは、精密検査や手術が必要になったら紹介状を持って大きな病院に行きますが、当院は西横浜国際総合病院が母体にありますので、病院でも私が手術しますし、退院後のフォローもクリニックでしっかりとできます。

にしよこ整形外科クリニック院長 南谷健医師
治療方針を教えてください

可能な限り健康寿命を延ばすことを目指して、治療を提案します。例えば手術では、出血や疼痛を抑える低侵襲な手術をすることで、ご高齢の方であっても手術が選択肢に入ってきます。ある90代の患者さんは、ひ孫と歩きたいという目標があり手術しましたが、術後はしっかりと自分で歩いて退院されていきました。また、技術の発展により人工関節の耐用年数が伸びていることで、以前は再手術を避けるために、痛みがあっても70歳くらいまでは手術を待たざるを得ませんでしたが、今は60歳くらいでも手術が選択できるようになりました。

手術をはじめ、治療の選択肢は増えていますので、患者さん一人ひとりに合わせて様々な治療を提案していきたいと考えています。

どんなクリニックを目指していますか?

長寿社会の今だからこそ、地域の方々の「自立した生活を支える」クリニックでありたいです。下飯田町は長年、整形外科領域へのアクセスが悪い状況が続いていました。今後は、当院に気軽に相談していただきたいです。

また、今は難しいですが、いずれは再生医療を取り入れるなど、より患者さんの治療選択肢を増やすことにもチャレンジしていきたいと考えています。

同時に開院する在宅クリニックとはどのように協働していくのでしょうか?

例えばご自宅で療養されている方が転倒や怪我をしたときには、レントゲンや治療などスムーズに対応します。密な連携とスピーディーな対応で、治療だけでなく安心感も与えられたらと考えています。

南谷 健 (みなたに たけし)

資格:日本整形外科学会整形外科 専門医

人工関節置換術をはじめ、膝関節鏡視下手術など、数多くの手術を経験

にしよこ在宅クリニック

訪問診療とは?

ご自宅で治療をうけることはもちろん、少しでも長くご自宅で過ごすためのお手伝いをしています。住みたいところでより長く過ごせるよう、患者さんとご家族の「生活を支える」ことが、訪問診療です。

療養の方針はどのようにして決めているのでしょうか?

患者さん、ご家族、医療者で対話をします。そうすることでご自身も気づいていなかった想いが明らかになることがあります。一方で、希望した通りに最期を看取った場合でも、「はたしてこれで本当によかったのか」という思いは、ほとんどのご家族が持たれます。在宅医療に正解はありません。何度も話し合いを重ねることが重要です。

にしよこ在宅クリニック院長 坂本雄大医師
訪問診療の現場で感じていることを教えてください

患者さんご本人が自宅での療養を希望されたとき、その通りになることが一番ですが、医療者の目から見て、別の判断をせざるを得ない場合もあります。例えば、ご家族の介護負担があまりに大きいようであれば施設療養を提案するなどです。ただ、そういう判断をしないといけない場面ではいつも、「これは患者さんご家族双方にとって最善の方法なのだろうか」と自問自答しています。その中で可能な限り良い形を模索していくことは、どれだけ経験を重ねても難しいです。

どんなクリニックを目指していますか?

在宅医療の現場で誰よりもがんばっているのは患者さんとご家族です。私たちが訪問するのは患者さんの生活の中のほんの一瞬だけで、大半は患者さんとご家族のがんばりで成り立っています。私たちはその一瞬のお手伝いしかできませんが、それでも「手伝ってもらえてよかった」「自宅で心配事なく過ごせた」と言っていただけるようなクリニックでありたいと思っています。

同時に開院する整形外科クリニックとはどのように協働していくのでしょうか?

ご高齢の方にとって、整形外科領域はとくに重要です。少しでも痛みを軽減して生活が楽になることが大切だと考えています。その点について、専門医の南谷先生と協働できることがあれば、ぜひ診療に還元していきたいです。

坂本 雄大 (さかもと たかひろ)

資格:日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本在宅医療連合学会在宅医療専門医・指導医

脳神経外科としてキャリアを積んだのち、生まれ育った横浜で長年に渡り在宅医療に従事

アクセス

神奈川県横浜市泉区下飯田町818ー3

ゆめが丘クリニックモール2階

エレベーター降りて右が整形外科クリニック、左が在宅クリニック