内視鏡センター


概要・診療体制

概要

当科では、高精度の内視鏡を用いて、主に食道、胃、十二指腸、大腸の病気を診断し、様々な方法(polypectomy、EMR、under water EMR、ESD)で腫瘍性病変の切除を積極的に行っています。

診療体制

検査・治療に関わる6名の医師全員が日本消化器内視鏡学会専門医や指導医の資格を保有し、複数の医師とディスカッションしながら治療方針を決定しています。また、内視鏡技師の資格を有する看護師、臨床工学技士が診療に関わっています。
高精度の内視鏡システム、処置具を導入し、地域の方々により質の高い内視鏡検査・治療を受けていただける体制を整えています。胆道系治療も行っています(火・水・木・金のみ)。
内視鏡治療の適応でない状態で病変が発見された場合でも、当院の外科、内科、麻酔科と連携し、迅速に適切な治療へ繋げるほか、必要に応じて他院への紹介もしています。
また、当院健診センターと連携し、胃内視鏡(胃カメラ)のドック、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)のドックも行える体制となっています。
 
 

 
(午前のみ)
胃内視鏡 田上
貝瀬
葛生
(田上)
田上 勝倉 田上
田上
大谷(月2回)
大腸内視鏡 田上
貝瀬
田上 田上
勝倉
  田上
田上
大谷(月2回)
外来 午前   田上        
午後 田上 田上     田上  
※葛生、勝倉、権を中心に胆道系治療を行っています。
※火曜日午前の外来診療受付は10:00までとなります。
※午後の外来診療は15:30~です。
 


主な治療

負担の少ない検査・治療を心掛けています。
すべての検査・治療にお腹の張り感を軽減するため、送気に二酸化炭素を用いています。

病変を牽引しながらの内視鏡治療の様子

 

胃内視鏡検査(胃カメラ/上部消化管内視鏡検査)
  • 経口から病変を拡大観察できるカメラを用いた精密検査
  • 経鼻から細径のカメラを用いての嘔吐反射が少ない検査
  • 鎮静剤を用いた負担の少ない検査
大腸内視鏡検査(大腸カメラ/下部消化管内視鏡検査)
  • 小さなポリープは検査当日日帰りで切除可能
  • 大きなポリープは検査当日に切除、出血などが生じなければ1泊入院
  • 食道、胃、大腸ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)
胃、大腸ポリープ切除術
内視鏡的止血術
内視鏡的異物除去術
胃瘻造設、胃瘻カテーテル交換
胆道系治療

内視鏡検査とは

先端に小型スコープ(CCD)を内蔵した細長い管を、胃の場合は経口または経鼻、大腸の場合は肛門から挿入し、消化管(食道、胃、十二指腸、大腸)に病変がないかを詳細に観察する検査です。
腫瘍性病変があった場合、大きさや深度によってはそのまま内視鏡で治療することも可能です。
病変部のみを切除するため、基本的に痛みはなく、小さな病変であれば食事の中止も必要ありません。病変が大きい場合でも、治療後1~2日目より食事を開始できます。
現在、国内のがん罹患数は1位が大腸がん、3位が胃がんとなっていますが、どちらのがんも、早期発見・早期治療につなげることができれば、多くが完治可能です。早期発見には、従来行われている胃のバリウム検査、大腸の便潜血検査よりもさらに高精度で病変を発見できる内視鏡検査がおすすめです。


胃内視鏡検査とバリウム検査の違い

胃の腫瘍性病変は、ある程度病変が進むと粘膜面に凹凸が生じます。バリウム検査では、凹凸に溜まったバリウムを観察することで病変を発見しています。しかし、凹凸が生じた病変は内視鏡治療がすでにできないほど進行している状態であることが多いです。
一方、胃内視鏡検査は、バリウムではわかりにくい浅い凹凸や色調の変化から、病変の発見が可能です。そのため、早期の段階での病変の発見、早期治療につなげることができます。


大腸内視鏡検査と便潜血検査の違い

便潜血検査とは、便に血が混ざっていないかを調べる検査です。便潜血検査を毎年受けることによって、大腸がんの早期発見につながることがわかっています。比較的簡易的に受けられる一方で、腫瘍が大きくなってから病変が崩れ、出血することで検査が陽性となることから、早期の段階で病変を発見することは困難です。
一方で、大腸内視鏡検査は、大腸がんが生じる確率が上昇してくる10mm大の腫瘍性ポリープを、90%以上の確率で早期に発見できます。この段階であれば内視鏡で病変を切除することが可能です。


主な医療機器

当院では、患者さんの負担が少なく、高精度な診断・治療が可能な機器を採用しています。


内視鏡システム『EVIS X1』 2台

  • OLYMPUS社製
  • EDOF(被写界深度拡大技術)、RDI(赤色光観察)、TXI(構造色彩強調機能)、NBI(狭帯域光観察)を搭載し、より高精度な観察・治療が期待できます。

上部消化管汎用ビデオスコープ『GIF-1200N』 4本

  • OLYMPUS社製
  • 食道・胃・十二指腸など、上部消化管の内視鏡診断・治療を行う際に使用します。
  • 極細径内視鏡としてCMOSイメージセンサーを世界で初めて採用し、明るく低ノイズなハイビジョン画質での病変観察が可能です。
  • 先端外径4㎜の極細径により、挿入時の苦痛軽減が期待できます。

上部消化管汎用ビデオスコープ『GIF-XZ1200』 2本

  • OLYMPUS社製
  • 食道・胃・十二指腸など、上部消化管の内視鏡診断・治療を行う際に使用します。
  • 最大拡大倍率125倍の光学拡大機能を搭載し、病変の高倍率の拡大観察が可能です。

上部消化管汎用ビデオスコープ『GIF-H290T』 1本

  • OLYMPUS社製
  • 食道・胃・十二指腸など、上部消化管の内視鏡診断・治療を行う際に使用します。
  • スコープの湾曲角度が従来製品よりも広く、観察が困難な部位に対して、より安全な診断・治療が可能です。

大腸ビデオスコープ『PCF-290ZI』 2本

  • OLYMPUS社製
  • 大腸など、下部消化管の内視鏡診断・治療を行う際に使用します。
  • 「受動湾曲」機能、「高伝達挿入部」機能、「高度可変」機能により、検査効率を向上させ、患者さんの苦痛軽減が期待できます。

大腸ビデオスコープ『CF-XZ1200 I』 1本

  • OLYMPUS社製
  • 大腸など、下部消化管の内視鏡診断・治療を行う際に使用します。
  • 最大拡大倍率135倍の光学拡大機能を搭載し、病変の高倍率の拡大観察が可能です。

十二指腸ビデオスコープ『TJF-Q290V』 1本

  • OLYMPUS社製
  • 十二指腸スコープは、口から挿入し、十二指腸乳頭部から処置具を挿入して胆管や膵管の診断・治療を行うために使用します。
  • 鉗子挿通用管路が大きく処置性が高く、細かなスコープの操作が可能なため、安全で低侵襲な治療が可能です。

高周波手術装置『VIO3』 1台

  • ERBE社製
  • 患部を切開または凝固させ、出血を最小限に抑える装置です。

高周波焼灼システム『ESG-300』 1台

  • OLYMPUS社製
  • 消化管領域における早期がんなどの内視鏡的治療を行う際に使用します。内視鏡処置具に接続して高周波電流を発生させることで、病変部の切開や凝固を行います。


スタッフ紹介

センター長
田上 大祐(たがみ だいすけ)

専門
上部下部消化管内視鏡診断・治療
資格
日本消化器内視鏡学会 指導医・専門医
日本消化器病学会 専門医
日本消化管学会 専門医
日本内科学会 認定医・専門医

顧問
貝瀬 満(かいせ みつる)

日本医科大学 特任教授

専門
上部下部消化管内視鏡診断・治療
資格
医学博士
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化管学会 専門医
ヘリコバクター学会 認定医
日本内科学会 認定医
出演歴
テレビ東京『ガイアの夜明け』(2021年6月4日放送)
NHK BS1スペシャル『私たちのデジタル医療革命2022』(2022年1月2日放送) ほか多数

顧問
大谷 友彦(おおや ともひこ)

東京慈恵会医科大学 内視鏡科 非常勤診療医長

専門
上部下部消化管内視鏡診断・治療
資格
医学博士
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本消化器病学会 専門医
日本内科学会 認定医
指導施設
がん研有明病院、聖路加国際病院、NTT東日本関東病院、亀田総合病院、AOI国際病院、松島クリニック/病院 ほか多数

勝倉 暢洋(かつくら のぶひろ)

帝京大学医学部附属溝口病院 消化器内科 助教

専門
上部下部消化管内視鏡診断・治療
胆・膵内視鏡診断・治療
資格
日本消化器内視鏡学会 専門医
日本消化器病学会 専門医
日本内科学会 認定医・専門医

葛生 健人(くずう けんと)

大船中央病院 消化器・IBDセンター

専門
上部下部消化管内視鏡診断・治療
胆・膵内視鏡診断・治療
炎症性腸疾患
資格
日本消化器内視鏡学会 専門医
日本消化器病学会 専門医
日本内科学会 専門医

権 勉成(ごん かつしげ)

横浜新緑総合病院 消化器センター 副部長

専門
上部下部消化管内視鏡診断・治療
胆・膵内視鏡診断・治療
資格
日本消化器内視鏡学会 専門医・関東支部評議員
日本消化器病学会 専門医
日本内科学会 認定医・専門医
日本胆道学会 認定指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医